Looker Studioでレポートを作るときは、目的と共有相手を決めてから、データ接続、可視化、表示調整、共有設定の順に進めます。
本記事では、空のレポートの作成から表やグラフの配置、関係者への閲覧可能な状態までを順に見ていきましょう。
Looker Studioでレポートを作る前の準備
作業を始める前に、レポートの用途、共有範囲、接続するデータを整理することが重要です。
| 利用目的 | 誰がどの数値を見て、何を判断するのかを決める |
|---|---|
| 共有相手 | 閲覧だけの人と、レポートを変更する人を分ける |
| 接続データ | 可視化するデータの保存先と対象を特定する |
| 利用権限 | 作成に使うアカウントで対象データを開けるか確認する |
レポートの目的と共有相手を決める
最初に「誰が、どの数値を見て、何を判断するのか」を一文で表してください。目的が曖昧なまま作ると、数値やグラフが増え、重要な情報が埋もれます。
経営層向けなら全体の成果、実務担当者向けなら施策別やページ別の内訳など、相手によって必要な粒度は異なります。最初の画面で確認してほしい指標を絞り、詳細情報はその後に配置すると読みやすくなるでしょう。
共有相手については、内容を見るだけの人と、レポートを修正する人を分けておきます。この整理を踏まえて、最後に閲覧権限と編集権限を設定しておきましょう。
接続するデータと利用権限を確認する
次に、可視化したいデータがどこにあり、どのアカウントで接続するのかを確認します。利用予定のデータを開けない場合は、レポート作成前に管理者へ権限を依頼してください。
複数のデータを扱う場合は、名称が似た接続先を取り違えないよう、対象のアカウントやプロパティなどを控えておきましょう。テスト用と本番用が分かれているときは、レポートに使う方を明確にします。
まだ利用画面を開けない場合は、Looker Studioのログイン手順とログインできない場合の確認点を先に確認できます。
Looker Studioで新規レポートを作成する手順
準備ができたら、Looker Studioで空のレポートを作り、編集できる状態まで進めます。
新しいレポートを作成する
Looker Studioへアクセスし、新しいレポートを作成する項目を選びます。アカウントや組織を選択する画面が表示された場合は、接続予定のデータを利用できる環境か確かめてください。
空のレポートが開いたら、最初に内容が分かる名前へ変更しましょう。「月次アクセスレポート」のように用途を含めると、一覧画面や共有通知でも識別しやすくなります。
新規作成直後にデータの追加画面が表示された場合は、そのまま接続先の選択へ進めます。先に編集画面が開いた場合は、データを追加する操作から同じ工程へ進んでください。
画面上の文言や配置は変更される可能性があります。特定の位置だけで覚えず、「レポートの新規作成」「データの追加」という操作の目的を手掛かりにしてください。
編集画面の基本構成を確認する
編集画面では、レポートの要素を置く領域、要素を追加する操作、選択中の要素を調整する領域を主に使います。まず、空白部分を選んだ場合とグラフを選んだ場合で、表示される設定項目がどう変わるか確認しましょう。
ページ全体を見渡せる領域は、要素の配置や大きさを調整する場所です。データやスタイルに関する設定領域では、表示する項目、集計値、色、文字などを変更します。
操作に迷ったら、いま選択している対象を見直すのが近道です。意図した表やグラフが選ばれていないと、変更したい設定が表示されません。
レポートにデータソースを追加する
レポートを作成したら、可視化したいデータへ接続し、必要な項目を利用できる状態にします。
コネクタから接続先を選択する
データを追加する操作を開き、目的のサービスや保存先に対応するコネクタを選びます。その後、接続対象のアカウントやデータを指定し、必要な認証を進めてください。
似た名前の接続先が並ぶ場合は、データの期間や内容だけで判断しないことが大切です。事前に控えた識別情報と照合し、目的の接続先であることを確かめます。
認証を求められたときは、レポート作成に使うアカウントで許可する内容を確認しましょう。権限が不足している場合は、別の接続先で代用せず、データの管理者へ必要な範囲を問い合わせます。
利用する項目と接続状態を確認する
接続後は、日付やページ名などの分類に使う項目と、回数や件数などの集計に使う項目が読み込まれているかを確認します。誤配置を防ぐには、名称だけでなくデータの種類や想定する値も見ておきましょう。
確認用の表を一時的に配置し、代表的な項目と数値を表示する方法も有効です。値が空になる、日付として扱えない、想定外の集計になる場合は、項目の選択やデータ型を見直してください。
レポート作成者が表示できても、共有相手が同じ状態で閲覧できるとは限りません。データソース側の権限や接続時の認証条件が関係するため、共有後のアクセス確認までを一連の作業として扱いましょう。
表・スコアカード・グラフを配置する
データを接続したら、伝えたい内容に応じて可視化要素を選びます。
スコアカードで主要な数値を表示する
スコアカードは、閲覧者に最初に確認してほしい主要な数値を示す場所に配置します。対象の要素を追加し、表示する指標と必要な期間を指定してください。
数値を並べすぎると重要度が伝わりにくくなるため、レポートの目的に直結するものを優先します。単位や指標名も表示し、数値だけを見ても意味を判断できる状態に整えましょう。
前期間との違いを表示する場合は、比較対象が何かを確認します。期間の条件が意図と異なると、増減の意味も変わる点に注意が必要です。
表で項目別のデータを整理する
表は、ページ、施策、地域などの項目別に数値を確認したいときに使います。行の分類項目と列に表示する指標を選び、閲覧者が比較したい順序へ並べてください。
列数を増やすほど一覧性は下がります。意思決定に使わない項目は外し、必要なら並べ替えや絞り込みによって確認対象を限定しましょう。
項目名が長い場合は、列幅や文字の見え方も確認します。省略表示だけでは内容を区別できないときは、名称や配置の整理が必要になります。
グラフで推移や構成を可視化する
時系列の変化を見る場合は、日付を基準にしたグラフを配置します。期間内の増減や急な変化を追えるため、単一の合計値では分からない動きを把握できます。
項目同士の量を比べる場合は棒などの比較しやすい形式、全体に占める割合を見る場合は構成を示せる形式が候補です。形式を先に決めず、閲覧者へ伝える関係から選んでください。
色を増やしすぎると、どの系列を見るべきか迷います。重要な系列を目立たせ、同じ意味の色はページ間でもそろえておきましょう。
期間と表示を調整してレポートを整える
要素を配置した後は、閲覧者が必要な条件でデータを読み取れるように調整します。
日付範囲と期間設定を調整する
まず、各要素が参照する日付項目と初期表示の期間を確認します。同じページにある要素でも期間がそろっていないと、数値同士を正しく比較できません。
閲覧者が期間を変更する必要がある場合は、日付範囲を選べるコントロールを配置します。変更がページ全体に反映されるのか、特定の要素だけに適用されるのかも閲覧画面で確かめてください。
定例レポートでは、毎回確認する期間を基準に初期状態を整えておくと効率的です。ただし、前月や前年との比較を使う場合は、比較対象との対応関係も見直しましょう。
フィルタや表示形式を調整する
フィルタは、対象のページ、施策、地域などを限定して確認したい場合に使います。除外条件と抽出条件を取り違えると結果が逆になるため、適用後の件数や代表的なデータを確認してください。
数値の単位、小数点、割合、日付の形式は、閲覧者が迷わない表記へそろえます。同じ指標を複数の場所に置く場合は、表示形式も統一するのが基本です。
要素の位置は、概要から詳細へ視線が流れる順に整えましょう。見出し、余白、文字サイズを調整し、関連する情報を近くにまとめると読み取りやすくなります。
閲覧画面で表示を確認する
編集が終わったら、閲覧用の画面へ切り替え、共有相手と同じ視点で確認します。編集用の枠や設定領域がない状態で、見切れや重なりが発生していないかを見てください。
期間変更やフィルタも実際に操作し、すべての要素が意図した条件で更新されるか確かめます。初期状態へ戻したときの表示も、共有前に確認しておきましょう。
最後に、レポートの目的として決めた問いへ短時間で答えられるかを見直します。答えに必要のない要素が目立っている場合は、削除または配置変更の対象です。
閲覧・編集権限を分けてレポートを共有する
共有では、相手が担う役割に合わせて閲覧者と編集者を使い分けます。
- レポートの内容を確認する相手に付与
- レポート構成の変更を任せない場合に選択
- 期間やフィルタの利用可否を閲覧画面で確認
- グラフや指標を変更する担当者に付与
- 必要な担当者だけに限定
- データ利用と再共有の可否も個別に確認
閲覧者として共有する
内容を確認するだけの関係者には、閲覧権限を選びます。共有設定を開き、相手のアカウントやグループを指定したうえで、権限が閲覧用になっていることを確認してください。
リンクによる共有範囲を変更する場合は、意図しない人まで開ける状態にならないか注意します。限定した相手だけに見せるなら、対象者を明示して追加する方法を優先しましょう。
閲覧者が期間やフィルタを操作する必要があるときは、閲覧画面で利用できるかも確認します。レポートを開けることと、必要な見方ができることの両方が完了条件です。
編集者として共有する
グラフの追加や指標の変更を担当する相手には、編集権限を設定します。付与前に、レポートの構成を変更する必要が本当にあるかを確認してください。
編集者が増えるほど、意図しない変更や設定の食い違いが起きやすくなります。担当範囲や変更時の連絡方法を決め、不要になった権限は定期的に見直しましょう。
データソースへのアクセスや再共有に関する扱いは、レポートの共有設定だけで決まらない場合があります。編集者を追加した後は、接続データを利用できるか、共有範囲を変更できるかも個別に確認が必要です。
共有後のアクセス状態を確認する
設定後は、共有相手にレポートを開いてもらい、アクセスできるかを確認します。作成者の画面だけで完了と判断せず、相手側で数値が表示されるところまで確かめてください。
閲覧者には編集操作ができないこと、編集者には必要な変更ができることを確認します。権限が想定と異なる場合は、対象アカウントと付与した役割を見直しましょう。
異動や担当変更があったときに備え、誰へどの権限を付けたかも管理します。レポートを継続して安全に使うには、共有時だけでなく共有後の権限整理も欠かせません。
まとめ|Looker Studioは目的整理から権限別の共有まで順に進めればレポートを作成できる
Looker Studioのレポートは、目的と共有相手を決め、データ接続、可視化、期間・表示調整、権限設定の順に進めると作成できます。スコアカード、表、グラフは、主要数値、内訳、推移など伝えたい内容に合わせて選びます。
共有時は確認だけなら閲覧者、構成変更を担当する人なら編集者に分け、相手側でデータが表示されるところまで確かめることが重要です。まずは共有したいデータと相手を決め、新しいレポートの作成を始めましょう。