GA4でブログの数字を読むなら、まず対象サイトと期間をそろえ、知りたいことに合うレポートを選びましょう。どこから訪問されたかは「トラフィック獲得」、どの記事が見られたかは「ページとスクリーン」から確認できます。
利用者を数えるユーザー、訪問を数えるセッション、閲覧を数える表示回数、行動を記録するイベントを区別し、直帰率やキーイベントの数だけで記事の良否や収益を判断しないようにしてください。
GA4を開いたら、対象サイトと期間を確かめる
最初に見るのは、グラフの増減よりも集計対象です。別のプロパティや期間を開いていると、数字が正しくても調べたいブログの状態を読めなくなります。
- 選択中のプロパティが、調べたいブログのデータを収集しているものか。
- 複数サイトやアプリをまとめている場合、対象のウェブサイトに絞られているか。
- データを収集している期間を選び、不要なフィルタや比較条件が残っていないか。
プロパティとは、GA4でデータをまとめる管理単位です。複数のデータストリームを持つ場合もあるため、プロパティ名だけでなく、レポートの対象サイトも確かめてください。
直近のデータは、期間が終わっていても処理中の場合があります。処理に24〜48時間かかることもあるため、集計直後の増減は時間を置いて再確認しましょう。
何も表示されない場合も、まず対象・期間・反映待ちの可能性を確かめ、必要に応じてデータが届いているかを設定側で確認してください。未計測や期間の取り違えを、そのまま「訪問者が0人だった」という実測結果にはできません。
ユーザー・セッション・表示回数・イベントは何を数える?
GA4の数字は、何を一つと数えるかによって変わります。「ユーザー」の列も一種類ではないので、列名と説明を一緒に確認しましょう。
| 指標 | 数えているもの | 読むときのポイント |
|---|---|---|
| 総ユーザー数 合計ユーザー数/Total users | 期間中にイベントを発生させた、GA4が識別する重複を除いた利用者 | アクティブユーザーと区別する |
| アクティブユーザー | エンゲージメントや初回訪問などの条件を満たす利用者 | 訪問した全員を数える列とは限らない |
| 新規ユーザー | ウェブではfirst_visitが記録された新しい利用者 | その期間の総ユーザーと同じ意味ではない |
| セッション | サイトで開始された訪問のまとまり | 同じ利用者でも、別のセッションで再訪すれば増える |
| 表示回数 ビュー/Views | ページやアプリの画面が表示された回数 | ブログではウェブに絞る。同じページの再表示も数える |
| イベント数 | 計測したイベントが発生した回数 | ページ閲覧以外も含む。イベント名を確認する |
| キーイベント | 重要な行動として指定したイベントを、設定した方法で数えた回数 | イベントごとか、セッションごとかを確認する |
「ユーザー」とだけ表示される場面では、説明を開き、アクティブユーザーなのか総ユーザーなのかを確かめてください。ウェブでは、エンゲージメントセッションがある利用者だけでなく、first_visitまたはエンゲージメント時間の情報が収集された利用者も、アクティブユーザーとして数えられます。
表示回数も、人の数とは別です。アプリを含むプロパティでは画面の表示が混ざるため、ブログのページビューを読みたいときは、対象ウェブサイトの表示回数に絞りましょう。
一人が2回訪問して3ページを見た、という仮の例
以下は数え方を説明するための仮定です。同じ利用者として識別された一人が、セッションの区切り条件を満たす2回の訪問を行い、1回目に2ページ、2回目に1ページを閲覧したとします。
この期間には初回訪問のfirst_visitが一度記録され、各閲覧のpage_viewも一度ずつ正しく収集されたものとしましょう。計測の重複や欠落を除いた説明用の例であり、実際のブログの測定値とは区別してください。
| 指標 | この例での数え方 |
|---|---|
| 総ユーザー数 | 1 |
| 新規ユーザー数 | 1(期間内に初回訪問を計測) |
| セッション | 2 |
| ウェブの表示回数 | 3 |
| page_viewのイベント数 | 3 |
| すべてのイベントの合計 | 初回訪問なども含むため、page_viewの3回とは別 |
このように、閲覧3回を「3人が来た」「3件の成果が出た」とは読みません。また、ページを開き直しても同じセッションが続く場合があるため、ページを開いた回数だけでセッション数を数えないでください。
流入元はトラフィック獲得、記事はページとスクリーンで見る
指標の違いが分かったら、調べたい疑問からレポートを選びましょう。流入元の分類や記事のパスなど、数字を分ける項目を「ディメンション」と呼びます。
| 知りたいこと | レポート | 絞る対象 | 読む数字・条件 |
|---|---|---|---|
| どこから訪問されたか | トラフィック獲得 | セッションの参照元/メディア | セッション。同じ流入元・期間で比較 |
| どの記事が見られたか | ページとスクリーン | 対象ホストと記事のページパス | ウェブの表示回数やアクティブユーザー。途中の閲覧も含む |
| 訪問の入口になった記事はどれか | ランディングページ | セッションの最初のページ | 入口としての訪問。同じ期間で確認 |
今回の訪問元は「セッション」の流入元で確認する
公式の基本入口は「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」です。レポートを開いたら、表の分類を「セッションの参照元/メディア(Session source / medium)」に切り替え、見たい流入元のセッションを確認しましょう。
Googleの自然検索に絞る場合は、この分類で「google / organic」を探します。「Organic Search」のようなチャネル単位の分類とは範囲が異なるので、比較時も同じ分類と値を使ってください。
セッションの流入元と、ユーザーの初回流入元は別です。今回どこから訪問されたかを読むときに、「最初のユーザーの参照元」など初回獲得を表す列へ置き換えると、異なる問いへの数字になります。
記事はタイトルだけでなく、ページのパスで絞る
公式の基本入口は「レポート」→「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」です。同じタイトルの記事を取り違えないよう、記事を特定するときはホスト名とページのパスを使いましょう。
たとえば、説明用のURL「https://www.example.com/blog/」なら、ホスト名は「www.example.com」、パスは「/blog/」です。実際の絞り込みでは、自分の記事のURLに置き換えてください。
- 「フィルタを追加」から「ページパスとスクリーンクラス」を選び、マッチタイプを「完全一致」にして対象記事のパスを選択します。
- 他のサイトやアプリも含む場合は、「新しい条件を追加」で「ホスト名」を選び、調べたいサイトのホスト名に完全一致する条件を加えてください。
- 「適用」を押し、絞り込み後の表示回数と、列名を確認したユーザー指標を読みましょう。
複数の条件を加えると、そのすべてを満たすデータに絞られます。サイト全体の表示回数を見たい場合は、記事パスの条件を外し、対象のホスト名だけを指定してください。
このレポートには、訪問の最初に見た記事だけでなく、途中で見た記事も含まれます。入口として選ばれた記事を知りたいときは、ランディングページのレポートへ切り替えてください。
直帰率やイベントは、条件と分母を添えて読む
私自身、GA4の知識が十分ではなく、直帰率を見ても何を改善すればよいのか分からないと感じていました。数字の高低から改善策を考える前に、その指標が何を数えているのかを確かめることが出発点です。
GA4の直帰率は、エンゲージメントのなかったセッションの割合
GA4では、1ページだけを見て離れたことだけで直帰とは決まりません。公式の標準的な説明では、次のどれかを満たすとエンゲージメントセッションになります。
- 継続時間が10秒を超える
- 対象となるキーイベントが発生
- ページまたは画面の表示が2回以上
なお、first_visitやsession_startなどは、キーイベントにしてもこの判定から除外されるイベントです。時間のしきい値や対象イベントの設定も確かめ、標準例と自分の集計条件を分けて読んでください。
直帰率(%)=エンゲージメントのなかったセッション数÷全セッション数×100です。同じ対象・期間なら、エンゲージメント率と直帰率を合わせると100%になります。セッションがない期間は分母が0となるため、率の比較から外してください。
そのため、1記事を長く読んだ訪問でも、時間などの条件を満たせばエンゲージメントセッションに数えられる仕組みです。直帰率が高いという一点から「記事の質が低い」「Googleの評価が下がった」と結論づけないようにしましょう。
まず同じ流入元・対象ページ・期間条件にそろえ、セッション数も併記してください。対象が少ないときや、期間の途中、計測設定が変わった前後では、率だけを見て原因を決めず、条件の違いを先に確認します。
直帰率の列がなければ、編集者または管理者へ詳細レポートへの追加を相談してください。列が見えないことと、その指標の数値が0であることは区別しましょう。
clickやキーイベントを、内部リンクや承認成果と取り違えない
イベント数は、選んだイベントが何回記録されたかを表します。イベント全体の合計から、関連記事のリンクが何回押されたかを読み取ることはできません。
拡張計測のclickは、基本的に別ドメインへの外部リンクのクリックが対象です。クロスドメイン計測に設定したドメインなどは対象外になるため、これを「内部リンクが押された回数」として使わないでください。
関連記事への移動を調べたいなら、まずその内部リンクを対象にしたイベントが定義・計測されているかを確認しましょう。未設定なら計測の設計・確認へ戻り、記録がない状態をクリック0回とは扱いません。
キーイベントも、重要な行動として指定したイベントを集計するものです。どのイベントを選んだか、どう数える設定かを確認し、ASPの承認成果や確定報酬とは分けて読みます。
外部の案件リンクが押されても、申込み・成果発生・承認まで進んだかは別の情報です。収益を確認するときは、GA4の行動データとASP側の成果記録の対象・期間・状態を照合してください。
比較したい記事と期間を一つ決める
最初からすべての数字を追うより、知りたいことを一つ選び、同じ条件で比較するところから始めましょう。記事が見られたかなら表示回数、どこから訪問されたかなら流入元ごとのセッションというように、問いと指標を対応させます。
- 対象とレポートを決める
一つの記事か流入元を選び、レポート名と、対象ホスト・ページパス・流入元の絞り込み条件を記録してください。途中の閲覧も含むのか、訪問の入口だけを見るのかも区別します。
- 比較期間と指標名をそろえる
完結した1週間と、その前の1週間など、日数と曜日の条件をそろえて比べましょう。直近の期間はデータの反映を待ち、プロパティのタイムゾーンと、アクティブユーザー・総ユーザーなどの列名も一緒に残してください。
- 件数と率を一緒に読む
率を比べるときは、分母にしたセッション数なども記録します。イベントやエンゲージメントの設定が変わっていれば、その違いを確認してから増減を読みましょう。
たとえば表示回数の増減だけでは、訪問者が増えたのか、同じ利用者が繰り返し見たのかまでは決まりません。関連するユーザー指標や流入元も確認し、数字から分かることと、追加で調べることを分けてください。
Search Consoleのクリック数とGA4のセッション数の違いを知りたい場合は、両ツールの定義と対象範囲の比較へ進みましょう。継続して追う指標や記録方法を決める段階では、ブログの目的に合わせたKPIの選定が次の作業になります。
まずは同じ記事・同じレポート・同じ指標名で、前の完結期間と比較してください。何を数えた数字なのかをそろえると、次に確認したい点を具体的に整理できます。