無料ブログからWordPressへ移行するときは、記事データ・画像の実ファイル・旧新URLの対応を分けて準備し、少量のテストで不足を確かめてから全体を移します。記事を取り込めたことと、画像やリンクまで引き継げたことは別です。
はてなブログなら記事とコメントをMT形式で書き出せますが、画像ファイルは別に保存する必要があります。旧ブログを先に消さず、移行先の表示と保存先、URLの移り方を確認してから終了の判断へ進みましょう。
記事・画像・URLを分けて、移行の条件を整理する
最初に作るのは、「何を持っていくか」と「どこまで自分で変更できるか」の一覧です。記事数だけで準備を終えず、画像の保管場所や旧URLの管理条件も同じ段階で確認します。
| 対象 | 引き継ぐ方法 | 移行後の確認 |
|---|---|---|
| 記事・コメント | 元サービスから書き出し、対応する形式で取り込む | 件数、本文、日付、カテゴリー、コメントの内容 |
| 画像 | 実ファイルを別保存し、移行先の管理下へ配置する | 表示に加え、画像の保存先と本文中の参照URL |
| 記事URL | 旧新URLの対応を記録し、維持または転送を検討する | 旧URLから目的の記事へたどり着けるか |
| 見た目・独自機能 | テーマや設定などを移行先で整える | 見出し、表、埋め込み、サービス独自の表示 |
移行元で出力できる項目を確認する
元サービスの公式ヘルプで、出力形式と対象項目を調べましょう。記事本文を出せても、デザインや独自の反応機能まで同じファイルで移せるとは限りません。
記事は公開分だけでなく下書きなどの状態も分け、移したい件数と保存日を控えます。コメント、カテゴリー、公開日時も並べた一覧が、取込み後の抜けを探すための照合表です。
移行先には、自己管理のWordPress環境を用意しておきましょう。すでに使える環境があれば、移行のために新しいサーバーを契約する必要はありません。
まだ移行先がない方は、ブログ開設の準備と費用で、サーバー・ドメインにかかる費用と、公開前に整える項目を確認できます。
| サービス | 記事とコメント | 画像と取りこぼし |
|---|---|---|
| はてなブログ | 記事本文・コメントをMT形式で保存 | 写真は別に保存。「写真を投稿」で載せた画像は、はてなフォトライフのファイルと記事を対応付ける |
| ライブドアブログ | PC版からMT形式で出力。コメント・トラックバック、下書き・予約分を含めるか選択 | 画像は別保存。プライベート追記は書き出しても他ブログには取り込めない |
| FC2ブログ | 本文・タイトル・コメント・トラックバックをMT互換ログに出力。「全ての記事」には非公開分も含まれる | 画像・ユーザータグ・テンプレートは記事ログの対象外。必要な画像は別に保存 |
| Amebaブログ | PC版「記事コピー」の複製先は自分のアメブロ。WordPressへの書き出しには使えない | 手動で移す公開記事と画像を選ぶ。限定記事・コメント・第三者素材は、移す範囲と利用許可を別に確認 |
画像付きの記事は、画像URLと実ファイルの両方を対応付けるのが要点です。外部の画像や、クリックすると開く元画像も少量テストで調べ、移行先に保存したファイルで表示できるかを確かめましょう。
独自ドメインと旧URLを管理できるか確認する
URLのうちサイトの住所となる部分をドメイン、記事ごとの後半部分をパスと呼びます。独自ドメインを継続して使えるかと、記事のパスを同じにできるかは別の確認項目です。
サービスから借りているURLと、自分で管理する独自ドメインでは、変更できる範囲が異なります。まずは次の項目を、契約内容や元サービスの公式案内と照らし合わせてください。
- 現在のドメインはサービス提供のものか、自分で管理するものか
- 独自ドメインの管理画面と、接続先を変える権限があるか
- 現在の記事URLを一覧にできるか
- 旧URLから記事ごとの新URLへ転送を設定できるか
WordPress側で新しい記事を作っても、それだけでは旧サービスのURLの動きは変わりません。URLを維持できるか、変更して転送できるか、転送できず案内を残すかを先に決めると、公開直前の手戻りを減らせます。
サービスから借りているサブドメインでは、旧記事ごとの恒久転送を設定できるか、契約と公式ヘルプを確認しましょう。転送できない場合は旧ブログを残し、移転案内から対応する新記事に読者を導きます。
外注するか迷うときは、テストした記事で何が残ったかを見てみましょう。たとえば本文は移せても写真の保存先が分からなければ、「画像の原本確認と本文URLの差し替え」を見積もり項目にできます。依頼時には記事数・画像数・限定記事の有無・旧URL・残したい機能を添えてください。
はてなブログの例で、記事データと画像を保存する
はてなブログの書き出しでは、画像の実ファイルが含まれない点に注意が必要です。記事のテキストと画像を別々に保全してから、取込みの準備に入ります。
MT形式で記事とコメントを書き出す
はてなブログの公式エクスポート案内に沿って、記事本文とコメントを書き出しましょう。出力はMT(Movable Type)形式のテキストで、文字コードはUTF-8、本文部分はHTMLです。
- 対象ブログの「詳細設定」で「エクスポート」欄を開く
- 「記事をバックアップ(エクスポート)する」から書き出しページへ進み、対象ブログをエクスポートする
- データの用意ができたらダウンロードし、ブログ名と保存日が分かる場所へ保管する
保存後に元ブログを更新した場合は、追加・修正した記事を控え、最終切替前にデータを更新しましょう。はてなブログにはエクスポートをし直す機能があります。
ただし、出し直した全件データをそのまま再取込みするかは別の判断です。すでに移行先へ入れた記事との重複を避けるため、後から変えた記事と取込み済みの範囲を照合します。
画像ファイルと本文内の参照先を整理する
自分の写真やイラストは、記事データと別に保存してください。借りた画像は移行先でも使える利用条件かを確認し、移す対象を整理します。元の画像が手元にある場合も、本文で使っている版やサイズとの対応が確認のポイントです。
移行先では、保存した画像をWordPressのメディアライブラリなど、自分が継続して管理できる場所へ登録しましょう。記事内の画像を差し替えたあと、その画像URLが移行先の保存場所を指しているかまで見るのが確認の要点です。
画像の対応表には、「掲載記事」「旧画像URL」「保存したファイル」「移行先の画像URL」を残すと追跡しやすくなります。本文の画像だけでなく、クリックすると開く元画像へのリンクも確認対象です。
少量のテスト取込みで、欠ける項目を確認する
全件を移す前に、形式の対応と取込み結果を少量で確認しましょう。本文だけでなく画像・日付・コメントなども含め、手作業で補う箇所を見つけるためのテストです。
MTとWordPress用の取込み口を混同しない
WordPressの公式案内では、元データの形式ごとにインポーターが分かれています。選ぶ基準は「移行先がWordPressか」だけでなく、元サービスが何形式で出力したかです。
- はてなブログのMT形式:Movable Type and TypePad用の取込み口を確認
- WordPressから出力したWXR形式:WordPress用の取込み口を確認
MT形式では、記事とコメントの取込みに対応するMovable Type and TypePad Importerを候補に、配布ページの更新状況と対応条件を確認しましょう。使うWordPress・PHP環境ではてなブログの出力ファイルを少量テストした結果が、本番の方法を選ぶ判断材料です。
WordPress用のWXR取込みで案内される添付ファイルの取込みを、MT形式の画像移行にもそのまま当てはめないでください。画像は前の節で整理した実ファイルと参照URLを別に照合する必要があります。
テスト先は公開サイトから分け、取り込む前にアクセスを制限してください。パスワード認証などで関係者だけが閲覧できる状態にし、下書きや非公開記事が意図せず公開されないかを確認します。検索エンジンへの非表示設定やnoindexだけでは、人の閲覧は防げません。
既存記事のあるWordPressへ取り込む場合は、そのサイト自体を戻せる保存も先に用意しましょう。無料ブログの書き出しは元記事の保全、WordPressのバックアップは移行先の保全という役割の違いを押さえてください。
本文・日付・カテゴリー・画像・重複を点検する
テストには、普段の記事にある要素を含めます。画像付きの記事、複数カテゴリーの記事、コメントのある記事などを選び、元データと並べて確認してください。
- 記事数の一致と、同じ記事の重複の有無
- 日本語の文字化け、見出し・表・改行・埋め込みの表示
- 公開日時・カテゴリー・コメント本文と必要情報の対応
- 下書きなどの記事状態と、投稿者の割当
- 画像の実ファイルの保存先と、本文中の参照URL
- 記事内リンク・画像リンクの遷移先
見た目が崩れた箇所は、取込み漏れなのか、テーマや元サービス独自の記法による違いなのかを切り分けましょう。記事データの移行と、装飾や独自機能の再現は別の作業です。
テストで見つけた不足と補修方法を記録し、必要な項目を引き継げる状態にしてから全体の取込みへ進みます。切替までに増えた記事やコメントも確認し、元ブログの更新を止める時点と最終データの保存時点をそろえてください。
旧URLから新URLへの移り方を決める
ドメインを使い続けても、記事ごとのURLまで同じになるとは限りません。URL全体で比較し、変わる記事には旧URLと対応する新URLの組を用意します。
URLを維持できる場合と、変更する場合
最初に、現在の記事URLと移行先の予定URLを一行ずつ対応付けましょう。ドメイン、HTTPSかどうか、パスなどの違いを見れば、どの記事に対応が必要か整理できます。
| 現在の条件 | 選ぶ対応 | 確認項目 |
|---|---|---|
| ドメインも記事URLも維持できる | 同じURLで対応記事を表示する | 接続先の切替後も記事・画像・リンクが機能するか |
| URLが変わり、旧URLを制御できる | 旧記事から対応する新記事へ恒久転送を設定する | 正しい記事へ直接移り、転送のループがないか |
| URLが変わり、転送を設定できない | 利用できる移転案内や記事リンクを残す | 旧ブログの読者が新しい記事を見つけられるか |
恒久転送を設定できる場合は、301や308などを使って内容が対応するページへ移すのが基本です。関係のない記事まで新サイトのトップページへ一律に転送する方法は避けます。
転送は、移行先を確認した直後に解除するものではありません。Googleは、リダイレクトをできるだけ長く、一般的には1年以上維持するよう案内しています。旧ブログの契約を終える場合も、必要な転送をどこで維持するか先に確認しましょう。
URLの維持を優先するなら、記事の公開前にWordPress側のパーマリンク形式と各記事のURLを照合してください。後から設定だけを変更すると、すでに作った内部リンクや対応表にも見直しが必要です。
転送を設定できない場合の読者案内
旧サービスの仕様や契約で転送できない場合は、使える案内欄や旧記事から新しい記事へ読者を導きます。移転先のトップページだけでなく、その記事の続きが読めるリンクを示すと親切です。
移転案内のリンクは、読者がクリックして移動するための導線であり、恒久転送のように旧URLへのアクセスを自動で新URLへ送る機能とは異なります。新サイトの発見や検索での表示も別に確認しましょう。
転送できないことを理由に旧ブログをすぐ削除すると、案内を見てもらう場所も失われます。まず新しい記事を読める状態にし、旧ブログの残し方はサービスの条件と移行後の状況を見て決めてください。
公開後の表示と検索状況を確認し、旧ブログの扱いを決める
取込みの終了は、移行後の確認を始める時点です。新しいWordPressで記事を読めるかに加え、旧サービスを終えても必要なデータを使い続けられるかを点検します。
記事と画像の保存先、内部リンクを確認する
旧ブログの終了前には、記事件数と本文の照合、画像の保存先、リンク先をまとめて確認しましょう。管理画面での取込み結果と、ログインしていない読者が見る公開ページの両方が対象です。
公開する記事については、準備中に設けたアクセス制限や検索除外設定を解除します。下書きや非公開記事の保護は保ち、公開範囲を確かめてください。
- 移す予定の記事・コメントの欠損、重複、意図しない公開の有無
- 切替直前の追加記事・修正・コメントの反映状況
- 本文画像とリンク先の元画像の保存先、旧画像ホストへの依存
- 内部リンクの新URLへの更新と、リンク切れ・誤接続の有無
- 旧URLの転送先、または移転案内リンクからの行き先
- PC・スマートフォンでの見出し・表・画像・埋め込みの表示
- 元記事データ・画像・旧新URL対応表の手元での保管
画像の一覧を新サイトに登録しただけでは、すべての本文がその画像を使っているとは限りません。記事側の参照先も確認し、旧ブログの画像URLが残る箇所から直していきます。
移行先を確認するために、旧ブログを削除して試す必要はありません。保存ファイルと参照URLを調べれば、旧サービスへの依存を残した箇所を探せます。
移行後の流入とエラーを観測する
URL変更後にGoogleが新しいURLを認識して検索結果を置き換える間は、順位や流入の変動も観測対象です。Googleは、中規模サイトでも旧URLの代わりに新URLが表示され始めるまで数週間以上かかる場合があると案内しています。ただし、これは個々のブログの順位回復期限ではありません。
移行日を控え、Search Consoleで確認できる新旧サイトの検索状況を追いましょう。新しいサイトマップ、ページのインデックス登録状況、検索パフォーマンスを見ながら、旧新URLの対応表と突き合わせます。
見たい記事が検索に出てこない場合は、まず新URLを開けるか、取込み漏れやリンク切れがないかを確認してください。公開対象なのに準備中のnoindexやrobots.txtの制限が残っていないか、正規URL(canonical)が移行先の記事URLになっているかも点検しましょう。
流入が減ったときは、全体の数字だけで結論を急がず、どの記事から、いつ減ったのかを比べます。ページ自体の欠損、転送先の誤り、画像や内部リンクの問題を分けて調べると、直すべき場所を決めやすくなるためです。
まとめ|元のブログを閉じる前に画像と旧URLを確認する
旧ブログの終了は、データの保全と新サイトの確認、読者の移動経路がそろってから判断しましょう。移すものを記事・画像・URLに分けて追えば、取込み完了の表示だけでは気づけない抜けを見つけられます。
まずは移行元の出力対象と画像の保存先を一覧にし、代表的な記事を少量だけ取り込んで照合してください。記事数の一致だけでなく、画像の実体と旧URLからの行き先まで確かめることが、旧ブログを残すべきか決める確かな判断材料です。